無量塔 藏六(むらた ぞうろく) PROFILE
1927年東京に生まれる。旧制獨協中学校卒業後、戦後に楽団にてヴァイオリニストを務めるかたわらヴァイオリンの制作と修理を始めた。いずれも独学であったが太田貢氏というピアノの響き坂を製作していた木工技師に出会い、道具の使用法を学ぶ。又ヴァイオリン音響学を東京工業大学の永廻登教授に師事した。その後、永廻教授の勧めもあり西ドイツのミッテンヴァルトへ留学し、日本で初めてガイゲン・バウ・マイスターの資格を取得した。帰国後、東京ヴァイオリン製作学校を設立し、ヴァイオリン製作者を育成した。無量塔のヴァイオリン製作学校を卒業した中より10人余りが同じくマイスターの資格を取得している。また、指導・製作者としてだけでなく、ヴァイオリン製作コンクールの審査員としても国外の同僚から高く評価された。審査員として参加したコンクールは、ロシアのチャイコフスキー・ヴァイオリン・コンクール制作部門、ポーランドのヴィニアフスキー・ヴァイオリン制作コンクール、ブルガリアのソフィア・ヴァイオリン制作コンクール、チェコのプラハ・ヴァイオリン制作コンクールなどである。著書「ヴァイオリン」岩波新書。